胡蝶蘭を贈ってみた

以前薬局に勤めていて、新しい店舗が出来たときに、そちらに転勤になったのですが、製薬会社などからお祝いの花が沢山薬局に届いて、お店を埋め尽くすほどでした。

 

あまりにもお花が多く、部長が「アレルギーの患者さんが来たときに迷惑だから、好きなだけお花を自宅へ持って帰ってもいいよ」

 

と言ってくれました。

 

部長はお花には無頓着だったらしく、その中に高級な胡蝶蘭がいくつもあったのですが、なんの躊躇も無かったようです。

 

私は翌日薬局へ車で行き、胡蝶蘭ばかり車へ積んで持って帰ろうとしたところ、部長が

 

「その花ばかり持って帰るみたいだけど、君はその花が好きなのか?」

 

と聞いてくるので、

 

「はい」

 

とだけ答えたところ、間髪いれず課長が

 

「部長、あの花は胡蝶蘭で高級なんですよ!」

 

と告げ口されてしまいました。

 

バレてしまったので、持って帰らないように言われるかと思いましたが、部長は笑いながら良いよ!と言ってくれたので、嬉しかったです。

 

胡蝶蘭の無くなった薬局は、閑散として寂しいものでしたが、患者さんにとってはその方が良かったと思いますし、私の自宅は胡蝶蘭で埋め尽くされ、ものすごく華やかになったので、しばらくの間、ゴージャスな気分で毎日を過ごすことが出来ました。